山本幸三地方創成大臣が「学芸員はガン」と発言したことを謝罪しました。私の友人に学芸員がいるのですが、展示物の借入・展覧会企画・市民講座・チケット販売・展示物の返却まですごく気を使う仕事であり、もし展示物を傷つけたら取り返しがつかないので器用さも要求される仕事だと語っていました。その時、本当に資料が好きでなければやっていられない仕事だとつくづく思いました。山本大臣をはじめ、多くの人が考える「地方の資料が観光に結びつけば」というのは、観光資源になり得るものしか残さないことを意味します。当然、世界中で同じような観光資源になり得る資料は残されているのですから、日本の展示品の独自性はなくなって世界を惹きつけることはできなくなるでしょう。それぞれの土地で生まれた美味しいものや美しいものをきちんと調べるのが学芸員であり、学芸員の仕事の上に日本文化の発信が成立するのです。今回の山本大臣の発言とそれを擁護する人々はあまりにものを知らない人と言わざるを得ませんし、こういう人に限って、「日本文化は素晴らしい」などと言うのですから手に負えません。学芸員の仕事の意義や本質を理解することが大切だと思います。